カタールワールドカップ アルゼンチン VS サウジアラビアについて
書いていきたいと思います。ただし、この記事では
サウジアラビアがどんな戦術をとったのか、なぜなのかを考えてみたいという趣旨でかきます。まずはスタメンです。
この試合は驚き・衝撃を世界に与えたと思います。
歴史的といっていいと思います。すでに報道が相当数されていますが、戦術的な部分を素人ですが書いてみます。
サウジアラビアは442のフォーメーションでした。ですがこのフォーメーションで
どう戦うのか?
この戦いかたがサウジアラビアが一つ驚きを与えたところだと思います。
試合前であれば力量の差などから、サウジアラビアが引いて守備をして少ない
チャンスを決められるかどうかが勝ち筋だというのが大勢を占めていたのではない
でしょうか?少なくとも私は、そう思っていました。
サウジアラビア視点で考えた場合
試合展開自体はアルゼンチンがボール保持(ポゼッション)する展開になる
世界有数のタレントを誇る。特にメッシを擁する攻撃陣
ということを念頭に
最少失点で抑える(失点0の時間をできるだけ維持)
得点される可能性が高いことは想定する。
攻める段階でもカウンター主体で少ないチャンスをものにする
というような組み立てになると思っていました。
ですが実際の試合は、
・サウジアラビアがかなりDFラインを高くとる
・FWは無理にDFのボール保持に対してプレスをかけない・追わない
・全体といして中盤を密にする(FWとDFの間を狭める・コンパクトに)
というものでした。
狙いはアルゼンチンが最も強いポイントである中盤を抑え込むということでしょう
とにかく中盤では自由にはさせないというところになります。その意思は画面を
通してもはっきりと伝わってきました。
ここが一つの基本的な戦術の重要なポイントだと思います。
結果的にアルゼンチンは中盤を飛ばしてDF裏のスペースを突く戦い方になりました。
ここでもう一つのポイントがオフサイドトラップと言ってよいでしょう。
DF裏に出させればオフサイドにすることができる。オフサイドを取れれば攻撃を
無効化できるという考え方です。実際に前半で7本のオフサイドをとっています。
もちろん、普通に考えればこのことは実現は可能ですが、アルゼンチンが相手であればこの手段は難しいと考えるでしょう。
オフサイドにならないようにDFと駆け引きを巧みにされるでしょうし。
アルゼンチンの攻撃力を考えれば、DF裏にうまく入れば致命傷になるのは明白です。
試合をどう戦うかを考えた場合
・リトリートを基本として守備・カウンター
・中盤をコンパクトに、DFラインを上げオフサイドトラップを仕掛ける
という中から、DFラインを上げオフサイドトラップというのが総合的に考えた結果、可能性があると判断したということになります。
ただ、言うは易く行うは難し実現できるレベルに持って行ったのは監督の手腕によるのだと思います。
サウジアラビアの戦術は戦い方として一つの方法として可能性があるような気がします。リトリートするということは守備が固いとは言え、得点を奪うには難しいというデメリットも存在します。
決定的なのは基本的には自陣での守備を求められます。守備の人数で基本的には優位になるとはいえ、自陣ゴールまでの距離が近くなるため距離的には不利となります。
もう一つ攻撃面でみると、相手ゴールから遠いということです。攻撃段階では相手守備陣が少ないという数的な優位を取れるとは言え、距離的優位はやはりなくなります。
この点を踏まえると、自陣ゴールから遠くするためにも、DFラインを押し上げていく
つまり守備をするエリアを自陣から遠くするというのは理に適うと思います。
突き詰めると中盤を無効化する意図をもって中央と中盤のエリアで戦い、DF裏はオフサイドを取るということを行えれば十分に戦えるということになります。
近年は即時奪還・トランジションを意識した攻守・ショートカウンターが強豪国の主流ですが、強豪国でない場合に相手を倒すとしたら、リトリートで耐えるということではない選択があるということを示したのかもしれません。