守備戦術 プレッシングとは?四つの型と、どの型を使うのか?

今日はサッカーの守備戦術であるプレッシングについて語りたいと思います。

サッカーでも攻撃が注目されるし、みなさん攻撃お好きなので、

かなり今回は 「地味」な内容になります。

 

プレッシングというのはサッカーにおける守備戦術です。当然、サッカーはボールを奪ってゴールをするスポーツなのでボールを奪われたら取り返す必要があります。その時どのように収奪するのか?というときプレッシングという戦術をとります。

 

近年、トランジションというキーワードがサッカー界で聞かれます。これは
簡単にいうと攻守の切り替えを意味しています。トランジションは2種に分かれます。守備から攻撃に移る場合の「ポジティブトランジション」、もう一つは攻撃から守備へ移る場合の「ネガティブトランジション」です。過去記事にも書いてます

 

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特に近年、ネガティブトランジションが重視されて「プレッシング」という戦術が注目されています。例えば、ペップの5秒ルールであったり、クロップのゲーゲンプレスが
代表例でしょう。


プレッシングは原則、相手の陣内特にアタッキングサード、またはミドルサードでボールを奪われた際に行われます。これは相手陣内のゴールの近い位置でボールを奪えれば得点の可能性が高くなるからこそ、速やかにボールを収奪するという考え方です。奪えなければ速やかに自チームのディフェンスに戻ります。

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下記の記事でキュンドアンもペップの5秒ルールに言及していますが、あくまで状況次第、あるいはアタッキングサードであるかという位置的なものでプレッシングを仕掛けるかが変わります。

https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=23822

 

プレッシングの型

A.プレーエリア制圧型

相手のドリブル、パスコースのスペースを奪ってプレーエリアを制圧するパターンです。相手選手のプレーエリアに周りの選手が素早く集まり密集します、スペースを狭くして相手に圧力をかけ続け、収奪するパターンです。この時、自身のマークは外してプレスを掛けます。ドルトムントが採用しています。

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B.パスの受け手制圧型

パスの受け手に焦点を当てたパターンで、パスの出しどころを抑えて収奪する方法です。プレーエリアはボール保持者に焦点がありますが、こちらはパスの受け手に焦点があります。基本的にボール保持者にプレスをかけるのはどのパターンにも当てはまりますが、パスの受け手に対してマンツーマンでついていくということです。かりにパスをできても受けてもマンツーマンでのプレスが仕掛けられます。採用チームはバイエルンなどです。

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C.パスコース制圧型

パスコースに焦点を当てたパターンです。人につくというよりはパスコースを塞ぐというところにポイントを置きます。パスコースを塞ぎ、相手を誘導して、あえて開けたパスコースに誘導してパスカットをするという手法です。採用チームはバルセロナなどです。

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D.ボールホルダー制圧型

この方法は、プレッシングという言葉だけを聞けば一番思い浮かべるパターンであると思います。ボールホルダーにとにかく奪いに行くという方法です。この方法はパスの受け手、スペースをケアしないという方法なのでリスクもあります。現代では技術が上がっているのでこのパターンは見られません。

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 類型は下記の記事を参考にしました。

www.footballista.jp

 

プレッシングの採用基準

プレッシングにも方がありますが、チーム毎にどれを選択するかはチーム全体の戦術と守備戦略により変わると思います。

スペース、ボールを重視し、守備としてゾーンディフェンスを採用しているペップグラウディオラの場合、全体の戦略としてスペース・ボールをうまくコントロールするスタイルです。ポジショナルプレーという概念のとおり、優位性を念頭に置いています。

守備戦術はゾーンディフェンスを採用しています。ゾーンディフェンスはボールの位置と味方のポジショニングでスペース、パスコースを塞ぐディフェンスです。その考え方を基礎としているのでゾーンディフェンスの考え方の延長線上、つまりエリアを極端に狭くしたゾーンディフェンス的な守備手法をとったと考えられます。あくまでボール保持者に高い圧力をかけるのではなく、中程度の圧力をかけ数的優位を作りながらもパランスを重視し、仮に奪えないとしても全体のバランスを崩さずゾーンディフェンスに移行することもできるという考え方なのでしょう。

 

一方でクロップの場合、ゲーゲンプレッシングを採用していますがプレス戦術は、ペップのそれより激しく、積極的に行います。マークを外してもボール保持者への圧力を継続していきます。この効果としてボールを奪取するだけでなくカウンターなど攻撃を遅くする効果があります。ポジショナルな考え方はとりますがよりボールに焦点を当てる、とにかくボールを収奪していくということ自体に意味を見出しているものと思います。マークを外すというリスクをとっても収奪することを重視するパターンです。

現在のアタランタもクロップのゲーゲンプレッシングのようなプレスを採用しています、また守備戦術はマンツーマンディフェンスを採用しています。それらはあくまでスペースなどのコントロールよりは相手のボールと相手に重点を置いた形であるといえます。

結局は、何を重視するのか、ディフェンスでどの程度リスクをとるか、得られるものはなにか?というバランスだと思います。ペップはバランスをとり、クロップはリスクをとってもボール収奪のハイリターンを得るという考え方なのだと思います。

 

プレッシングの弱点

プレッシングにはいくつかの類型がありますが、総じて弱点としてはプレスをかいくぐられると攻撃を受けてしまうということがあります。どの類型でも大小の差がありますが、ロングボールでカウンターを受けるなどがリスクとしては残ります。そしてもう一つはクロップのプレッシングスタイル、アタランタのスタイルは体力的な面、選手の理解度も必要となります。

 

プレッシングとハイプレスの違い

 プレッシングとハイプレスの違いは下記の記事で書いてみました。

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今日は地味でした。今度はシリーズとして各プレッシングのパターンを語りたいと思います。

 

せば~~~