試合レビュー J1 柏レイソル VS 鹿島アントラーズ

今回は柏レイソル戦について書きます。

鹿島は連戦と暑さでプレー強度をどこまで保てるか?走り負けることなくプレーができるかがポイントです。特にザーゴ監督の戦術的にハイプレスをかけることも必要となるので走力が重要となります。

スタメンです。

柏レイソルVS鹿島アントラーズスタメン

柏レイソルVS鹿島アントラーズスタメン

戦前から最も注目されていたのは、柏のフォワードのオルンガ選手でしょう。オルンガ選手を抑え込めるか?は重要なポイントです。単純に決定力が高くい選手で、フリーで持たせた場合の脅威は相当なものがあります。もう一人は江坂選手でしょう。江坂選手が攻撃を組み立てるということで、確実に抑え込む必要があります。

 

試合展開と先に結論

試合としては前半は両チームとも狙い通りではなかったでしょうか?柏はオルンガ選手を明確に意識して、それほど引くこともなく対応していたと思います。鹿島についても現在のザーゴサッカーを意識した形にはなっていたと思います。
試合が動いたのは柏の先制からです。オルンガ選手が、右側のハーフスペースでの崩しから、ゴール左にシュートを決めます。確実にオフサイドではあったのですが、たらればなのであえて書きません。むしろオルンガ選手の能力の高さを証明したと思います。

鹿島も動きを付けていきますが、柏の選手が2枚目のイエローで退場となってから、逆に推進力にかけた気がします。DAZN解説でも話していましたが、10人の相手に対してボールが持てる状況になってからがむしろ難しいということになってしまった。わかってはいてもということなのでしょう。

鹿島は先行されたあと、永戸、土居、三竿という形で同点に追いつきます。この後も押し込んで先行すればよかったのですが、やはりオルンガ選手にやられます。2得点目も1得点目と同様の位置でほぼ同じ角度から、同じシュートで決めます。オルンガ選手の決定力の高さがはっきりとした場面でした。本当に脅威だと思います。

その後、89分、91分と劇的な逆転をします。

 

鹿島の戦術

この試合の鹿島について書いてみたいと思います。11人どうしの特に前半はザーゴサッカーを意識したプレーができていたと思います。まず攻撃時の陣形としてはボランチがサイドに下りる動きをいれ、このブログでも書いているようにサイドバックが高い位置をとるということは見られてました。またMFは中に絞る形も意識して相手を押し込むことを意図したポジショニングになっていました。また狙いは柏のDFとキーバーの間、つまりはDFの裏をとるというのが意識されていたと思います。ワンタッチのパス交換も見られていました。ただしMFのインナーでのプレーというところでは少しFC東京戦などのような強度は見られなかったように感じました。結果としてサイドからクロス供給が多かったきがします。つまり、縦につけるプレーが少なかったと見えるのです。

  • 中2日で少し強度が落ちていた
  • 右がファンアラーノ・染野コンビだったこと

まず中2日で少し強度が落ちたのではないかと思います。前線の動きが少し鈍いという感覚です。特にプレッシングは若干弱まっていたように見えます。守備時のDFを追う作業が少し弱かった印象です。

もう一つはファンアラーノ、染野コンビだったこと、FC東京戦では土居選手がはいっていましたが、染野選手に代わり少し、ためを作る動きというか、下がるタイミング、ボールを引き出すタイミングに難しさがあったかなと思います。戦術的な狙いなのかもしれませんが、ファンアラーノ選手は動いて受けるプレーのキャラクターなので、ハーフスペースで我慢してとどまる動きが苦手な印象です。さらに染野選手は本格派のFWの動きでもあるので動きの組み合わせに少しのずれが生じる気がします。

FC東京戦では土居選手がスタメンでファンアラーノ選手と組んでいますが、マルチロールでかつ下りる、空間でボールを受けるが得意な選手なので、土居選手が下りる、少し貯める、その両脇、裏をファンアラーノが追い越す、スペースに動くが、うまくマッチしているように思えます。ただ染野選手の場合は土居選手とのキャラの違いがあります。

以前のこのブログでファンアラーノ選手が動きすぎであると書きました。動きを主体とする選手との組み合わせには空間で受けるということが必要であると思います。鹿島では遠藤選手と土居選手、白崎選手がその部分では能力値が高いと思います。

染野選手のポテンシャル自体は高く、良いプレーも見せていましたが、連携面で少し劣るのかなという印象です。

 

相手が10人になってから

相手が10人になってからは動きが鈍るという感じでした。DAZN解説でも話されていましたが、ボールが持てるようになるのでテンポがスローになるということです。まさにそれが出たのだと思います。相手を崩せない状態がおきます。

ベンチの土居選手は相手の右サイド、つまり永戸選手のサイドを使うのが有効だとみていたというのはその通りで、相手がいないサイドを使うのはポイントでした。1得点目、2得点目は永戸選手からの崩しでした。

鹿島の攻めは右サイドからの崩しが多かったのですが、それが意図的であるか、ないかはザーゴ監督に聞いてみたいと個人的には思いました。右からの攻撃を意図して見せて、右サイドにオーバーロード状態を作り、あえて左をオープンにして、あるタイミングで見てオープンな左を使うということを意図していたかというのが気になる点です。

 

kazuboy33.hatenablog.com

 

2得点目

2得点目は土居選手の少し触れたシュートがありますが、関川選手から永戸選手へのパスが秀逸だったと思います。右に寄っているから左へと展開するという判断と、パスの精度も高かったですし、永戸選手にしても、江坂選手を1枚振り切ってクロスというところが素晴らしかったです。

 

試合としては相手に先行される場面が多く敗戦覚悟というところまで行きましたが、

試合内容は別として最後に勝つというのが実現できてよかったなと思います。