カタールワールドカップ 日本 VS コスタリカ 試合レビュー

日本代表は敗戦しました。とにかく痛い敗戦でした。スペイン・ドイツの強豪と同じグループでトーナメント進出のためには取りこぼしは問題なので、結果として痛かったと思います。

 

日本代表の今回のスタメンとフォーメーションは4231でした。通常通りの入りだったと思います。試合前からコスタリカのサッカーであれば、日本がボールを持つ展開になり、コスタリカのゴールをこじ開ける展開となることは予想されました。

日本としてはメンバーを入れ替えて臨んでいます。コンディション調整も必要となるので。

基本的には人選から見ると

・相馬選手を投入→幅を取ることとサイドからの崩しを期待

・酒井選手・富安選手は怪我のため入れ替え

・軸となる吉田選手、遠藤選手、鎌田選手は、チームの核なので変更はせずスタメン

・トップは上田選手→ボールを持つ展開になるということもあり、前から追い続けるのではなく、ボールを収める、サイドからのクロスに合わせられるという展開に備える

 

という意図があったのだと思います。

日本 VS コスタリカ スタメン

日本 VS コスタリカ スタメン

日本代表は意図通りの入りとはなりました。明らかに相馬選手のサイドは
アイソレーション(1対1での突破を狙う)を狙っていたと思います。
右は堂安選手の攻撃をしていくというところだったと思います。

 

日本代表の狙い

日本代表の狙い

 

試合展開は想定どおりでコスタリカは守備重視でした。全体的にコスタリカは調子が良くなかったというところはあります。

前半最後のほうに3バックに変更、後半からは攻める圧力を高めていきました。ただし

一つの流れでのミスでコスタリカに得点をゆるしました。

コスタリカとしては試合展開の中で少ないチャンスをものにするというのは

はっきりとしていたと思いますし、そのチャンスをつかんだと思います。

はっきりと守備的に、得点を取られないというのが意識されていました。

戦術としてはハイプレスは行わない(基本5バックで1トップ気味なので)かつ、ゴール前で、数的優位の状態を作り壁のように守るということになります。
試合ではボールホルダーにはいきますが、リトリートの守り方を基本としていました。

 

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日本代表の戦術的に足りないあるいは問題があったポイント

個人的にここが足りないというようなポイントを挙げていきたいと思っています。

1.前半途中から3バックへの変更・後半での対応

2.右のアイソレーションを仕掛けるまでのボール運び使い方

3.右の堂安選手が幅を取ることに連動したサイドバックのポジション

4.ゲームを作るパサーの存在の不在、あるいはポジション調整

 

1.前半途中から3バックへの変更・後半での対応

前半の終了前に日本は攻撃を高めるため、3バック気味にポジション変更をしました。
この対応自体はコスタリカの守備、試合状態を見て配置を変える意図があったと思います。ただし、3バックになるのは良いのですが、攻め方の整理。ポジション整理ができていないという点だと思います。ここは試合前から構築していないと難しいのですが、機能していない点を見るとあまり準備できていなかったことが分かったと思います。

ドイツ戦では機能したと思いますが、相手が違うのではまらなかったと思います。

具体的には、5バックに対して5枚の攻撃のようにポジションが重なるのがありますし、
ずれるスペースがなくなるということになります。

この状態というだけならばよいのですが、ここからどうするかやはり不足しています。

この状態であれば誰かが下りてきてボールを低い位置で一度受けるという工夫も必要でしたし、そうでなければ、早めにクロスを上げてしまうというのもあったと思います。

2や3の課題ともリンクしますが、この状態でどう崩すのか、どういったスペースからどういう攻撃を行っていくかが整理できていないというのがあるのだと思います。

ドイツ戦はドイツは4枚のDFなので、数的優位、あるいは対応が難しくなるということ、混乱もあったのだと思うので機能したのですが、同数で固められれば引き出して攻撃を進めていく工夫が足りなかったかもしれません。

不足3バックシステムへの変更

不足3バックシステムへの変更

 

 

2.右のアイソレーションを仕掛けるまでのボール運び方

不足1

不足1

基本的に相馬選手がワイドに開くのですが、そこまでのボール運びがうまくいっていませんでした。この点は後半でも同じ状況になるのですが、基本的に相馬選手にボールを出すところが構築できなかったということだと思います。

サイドがワイドにということならば、かつ高い位置を取るならば、そこまでのボールを持っていくことが大事になります。

この局面であれば、
相馬選手が内側のオレンジのあたりに落ちてくる、
鎌田選手、上田選手が下りてくる
森田選手がスペースを埋める
伊藤選手がボールを持ちインサイドにボールを運ぶ

この状態で他の選手も含めてこのスペースまでパスで持っていくことが必要になります。相馬選手と伊藤選手は縦のレーンが重なるのでどちらかが外れるなどで、パスコースを空けること・角度をつけるというのが必要ですし、オレンジのエリアに誰かが受けれれば次の展開で相馬選手に渡すこともできます。

決定的にこの部分が不足していました。かつここは連携ができていないのが露呈したのだと思います。この部分は3バックに変更しても同様でした、終盤三苫選手が切り崩すのが2本ありましたが、そこまでにもっと三苫選手に渡すということが、そういったシーンを作り出すところは不足してました。

3.右の堂安選手が幅を取ることに連動したサイドバックのポジション
右側も不足があったかと思います。堂安選手と山根選手の動き連動が足りないというところだと思います。山根選手がもう少し押し上げてあげることも必要だったと思いますし、右サイドから攻撃チャンスが少なくなってしまいました

こちらは左サイドほど不足していないように思えます。基本的に右は伊藤選手・堂安選手が酒井選手との連携が取れていたので、基本右側は攻撃的に進めることがアジアの予選から、その前からありました。極端に言うと日本代表は右サイドが中心になっており左サイドの機能性が低いというところでした。コスタリカ戦では右サイドの機能性も落ちてしまった。あるいはコスタリカに抑え込まれた形だったと思います。

 

4.ゲームを作るパサーの存在の不在、あるいはポジション調整

1にも2にも関連しますが、パスを出せる、ゲームを作る選手の必要性と、あるいは調整が必要でした。縦にパスを出すことができていませんでした。
前半についてはボランチとTOPしたから上田選手に入れるというところが少し足りないと思います。その意味で鎌田選手がもう少し下りてもよかったと思います。
全体的にボランチとの間が広がっていたと思います。前線の選手が少し高い位置にはいっていました。チャンスになったところは上田選手に少し無理に当てて、下りてきて下げるというところで、相手のボランチの空間でボールを保持できました。
後半についても枚数を増やしましたが、ボランチからのボールが入らない、2で説明したスペースが使えなかったというところが大きいと思いますが、基本的に、後ろから縦にボールを通せない、パスを出せないというのが大きいです。ここはパス出しの選手を変えるか、ボランチのところのポジションを変化させるかの対応が必要だったかと思います。柴崎選手投入でもよかったと思います。

 

スペインVSドイツは引き分けに終わったので、条件・状況的にスペインに勝利することが必要となってきました。
スペインに対してどうできるかが重要になりました。

 

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