ジョゼップ グアルディオラ戦術の研究をシリーズとして書いてみます。
戦術をいろいろ勉強しつつ試合レビューもしてますが、戦術をいろいろなものの知識をいれながらサッカーを見て研究しないと理解できないということを感じています。
まずはジョゼップ グアルディオラです。現在のサッカーの最先端であり、革命家です。師事するにはピッタリですし、ジョゼップ グアルディオラの戦術は多く研究されています。
今回は第2弾として偽サイドバック(偽SB)について語ってみます。この戦術はペップがバイエルン監督時代に試行錯誤して生み出した戦術です。攻撃時に使用します。
基本となるサイドバックの動き
まず基本となる通常のサイドバックの動きを理解していきましょう。
図はサイドバックが自陣のサイドでボールを持った場合の局面です。白い矢印は行動できる方向を示しています。サイドバックはタッチラインを背負っているので、方向としては上下と内側の方向に動くことになります。このときの局面では自身の味方にパスを出そうにも出し手が見つかりません。この局面ではセンターバックにいったん渡すか、GKへのバックパスとなります。
(黄色矢印)
そしてここで重要なのはサイドバックからサイドハーフへのパスコースがないという状況であるのです。ここがペップの偽サイドバックの考え方の発端にはなります。
私もサッカー部時代にサイドバックをしていたので、こんな局面によくなりました。
パスコース切られたりするときつかったですね。パスするならば、ボランチかウイングに回したいのですがなかなか・・・
話を戻しましょう。このときにプレーの幅を広げる動きとしては、サイドバックがどこに位置をすればいいのか?という問の答えとして、偽サイドバックにつながる動きがあります。
考え方としては相手の正面を避けるということでサイドバックは内側に入ります(外側はタッチラインなので)これで縦へのパスコースも開けました。とこれは狭い局面でよくやられている方法です。
この動きは重要なので少し頭の片隅においておきましょう。(後の説明にもつながります)
この動きをチームとしての動きに組み込み戦術かしたものが偽サイドバックになります。
偽サイドバックの動きはサイドバックだけの動きでなく、ハーフとセンターバックの動きと連動するものです。
サイドバックがポジションを変えると同時にハーフとセンターバックが連動して動きます。サイドバックはハーフポジションに入ります。ここで攻撃を組み立てる役割、ハーフとしての役割が求められます。
チーム全体戦術によりますが、近年のサイドバックは、サイドバックとしての守備の動き、サイドからの攻撃参加に加えて、内側に入り攻撃を組み立てると幅ひろい役割をこなす重要なポジションになります。
サイドバックではなくインサイドのハーフとしての動きなども要求されるので
偽サイドバックとなります。
ただし、きちんとしたポジションとしての名前などは今後生まれるかもしれません。
言語化することで認知が高まります。
なぜサイドバックの攻撃参加なのか?
ペップがサイドバックを攻撃参加させるということに至った理由はサイドバックからのパスコースを開けていくことが目的ではなく、その先にあります。
パスの受け手がサイドに開いているのか、内側なのか?ウイングの役割なのか、センターで受けるタイプなのか?など、位置、役割によって偽サイドバックという戦術を採用するかどうかというところが変わります。
あくまでウイングも連動して動くことで偽サイドバックが機能します。ウィングを生かして攻撃しきるというチーム全体の構想の中で、どのように動くかを考えたことで生まれた戦術でしょう。
他のチームが完全に同じことをするというのは難しいと思います。似たことはできると思いますが完全に同じではないでしょう。適した選手を集め、チームの全体戦術を合わせこまないと機能はしないからです。
ただ、このような戦術があるということが認知されたので、この考え方をベースに
別の戦術が生まれる可能性はあります。
せば~~